
このたび、第6回日本不整脈心電学会東北支部地方会を開催するにあたり、一言ご挨拶申し上げます。本地方会は、東北6県における不整脈診療および研究の発展、さらには若手医師・臨床工学技士・看護師・臨床工学技士などのメディカルプロフェッショナルの教育と交流を目的として設立され、地域の医療連携の深化とともに着実にその歩みを重ねてまいりました。第6回を迎える今回は、より活発な意見交換を行うために、例年以上に多くの演題をご応募いただくことを期待しております。各施設での臨床・研究活動の活発さを改めて実感できることでしょう。
不整脈領域は近年、急速な技術革新の波にあります。カテーテルアブレーションでは、パルスフィールドアブレーション(PFA)の臨床導入が進み、従来の熱エネルギーによる焼灼に代わる新たな治療手段として注目を集めています。また、AIや機械学習を応用した電位解析・周波数解析が実用段階に入り、アブレーションターゲットの選択や再現性の高いマッピングの実現など、より精緻で個別化された治療戦略が模索されています。さらに、ウェアラブルデバイスや遠隔モニタリング技術の進歩により、患者の日常生活に寄り添ったリズム管理が可能となり、診療の形が大きく変化しつつあります。
このような新時代の中にあってこそ、地域に根ざしたネットワークの維持と発展が重要であり、東北各地で培われた臨床経験と研究成果を共有し合うことが、地域医療のさらなる発展につながると確信しております。また、本地方会が若手医師・メディカルプロフェッショナルの皆様にとって発表・議論の第一歩となり、不整脈診療の魅力と奥深さを実感する場となることを願っております。東北から全国へ、そして世界へと新たな知見を発信していく契機となれば幸いです。
最後に、本地方会が参加者一人ひとりにとって新たな学びと出会いの場となり、東北地域の不整脈診療の発展に寄与することを心より祈念いたします。
第6回日本不整脈心電学会東北支部地方会
会長 熊谷 浩司
〔東北医科薬科大学 内科学第一(循環器内科)〕
